医用画像電子化研究会Q&A


7.その他

【問7.1】遠隔画像連携コマンドの実験(姫路)について教えてください。これは今後どのように規格化されていくのでしょうか。実験に参加している会社名は教えていただけるでしょうか。
 
【答7.1】今回の遠隔画像連携コマンドの実験(姫路)は、厚生省の3原則の実証確認、および、連携プロトコルの実証・実装確認実験です。インフラ技術として、・医療情報の電子保存、・画像連携コマンド、・オンラインセキュリティ等があります。
 電子保存に関しては、現在のところ「共通規格」が国内唯一の規格であり、オンラインセキュリティに関しては、「IS&C規格」での検討は完了しています。画像連携コマンドに関しては、WG9で検討中であり、今年度中には連携の基本コマンドおよび、二つの利用分野(テレラジオロジーとテレパソロジー)に固有の電子保存のコマンドをまとめる予定です。また、遠隔画像連携コマンドの実験(姫路)に参加している企業は、日立製作所、島津製作所、日本電気、NTT、三菱重工業株式会社、コニカ、オリンパス光学工業株式会社(順不同)の7社が参加しています。N
 
【問7.2】院内の他ネットワーク(HIS等)との住み分けはどの様に考えていくのでしょうか。
 
【答7.2】画像ネットワークと院内の他のネットワーク(HIS)等とは、競合するものではなく、相互乗り入れした実例もあります。特に院内のネットワークでは、レセプト、オーダリング等のネットワークとの接続、各種モダリティとの接続等、医療データ相互交換が重要になると思われます。また、(院内に対して)院外のネットワークでは、データの改ざん防止、盗聴防止など、セキュリティが重要になると思われます。N
 
【問7.3】「共通規格」「電子保存」という一般用語を固有名詞につかっているのではないか。特定の名前を付けた方が良いのでは。「IS&C」は今後もアイザックと読むのでしょうか。
 
【答7.3】医用画像電子化研究会では、厚生省の示した3原則(安全性、長期再現性、共通利用性)に基づいて保存義務のある医用画像を電子媒体に保存する場合について、誤解を防ぐ意味から「いわゆる電子保存」あるいは、「医用画像の電子保存」と表現しています。また、3原則を実現するため、具体的に技術基準を満たすものの一つに、「共通規格」があります。IS&C(Image Save & Carry)は、今後も「アイザック」と読みます。N
 
【問7.4】「適合証明事業がMEDIS-DCでなくてもよい」というところがわかりにくい。
 

【答7.4】MEDIS-DC以外の団体でも、厚生省の示した技術的基準(安全性、再現性、共通利用性)を満たす規格を作り、その規格(MEDIS-DCの制定した共通規格ではない)に対して適合証明事業を行えます。A
 
【問7.5】日本及び世界での電子保存の普及率はどの位なのか。又、あまり普及していないようであれば、何が一番の問題なのかを教えていただきたい。
 
【答7.5】日本でも世界でも医用画像の電子保存は,医用以外の他の分野に比べてあまり普及しているとは言えません。CTやMRIなどのもともとのデジタル画像は当然ながらデジタル保存されていますので,これは欧米ともに同じ普及率であろうと考えられます。
 但し日本では使用したフィルムの購入価格を10で除した値を点数として診療報酬請求できるため,わざわざフィルム(X線フィルムではありません)にプリントして診断に供している状況です。この場合のフィルムは胸部レントゲン写真のようなX線フィルム写真とシャウカステンの上で並べて診断に供することができ,便利といえば便利 ですが,トータルとしてはコストベネフィットが必ずしも良いとは言えません。CR化 やダイレクトセンサー化が進めば全てデジタルで電子保存されて,普及率が上がるかとも考えられます。
 次に日本であまり進んでいなくてアメリカで進んでいる医用画像の電子保存の分野にシネフィルムのディジタル化保存があります。シネフィルムを使わずに,いきなりアンジオグライの動画をカメラでとらえて高画質で電子保存する臨床応用も普及しています。これはAmerican College of CardiologyがDICOM3.0を利用して規格化し普及せしめました。
 日本で何故これが普及しないかというと動画でのわずかな画質劣化が診断に影響するのではないかと懸念する医師が多いことです。またフィルム優先の保険診療体系が影響していることも考えられます。電子保存の普及は上述のように欧米の方が進んでいます。欧米では電子化による多少の画像の劣化があるとしてもスピード,タイミング,処理能力などの他の利便性が総合的に患者の利益になるので良いではないかとの合理的な考え方があり,特にアメリカでは診断医が受け取った画像の画質に応じて診断情報を抽出し報告書を書いて対価(診療報酬)を得る能力をもっていると言われています。その時画質や自分の能力に応じて診断の確度(confidence level)を述べることにより医療訴訟の際の防衛策を取っています。また遠隔画像診断を用いてでも専門家の診断レポートを貰っておく方が医療機関や健康保険会社にとっては医療裁判の時に有利であることも背景にあります。
 これに反して日本では画像診断は専門医でなくても誰がやってもよく,一旦取得した画像を保存・検索して使用するより,また撮影してすぐそばにいる医師が読影すればよいという考え方なので電子保存が普及しにくいという背景があります。厳密に言えば医用画像の電子保存は同一性の損傷の問題,原本性保証の失敗の問題,患者と画像間の固有認識の失敗の問題などが挙げられておりフィルムに比べて不利とされています。しかし今後は画像品質向上の技術やセキュリティ技術の向上で改善されていきますので障壁はなくなるでしょう。歯科放射線画像のようにメリットの大きいデジタル画像の方がフィルムより点数が高い事例は既に存在しています。I
 
【問7.6】私共は、小さなクリニックを5つ持っていますが、胸部X線写真などを各診療間でやりとりしたいのですが、この場合「証明シール」の無いディジタイザーで、やりたいと考えてますが問題は、現時点ではあるのでしょうか、無いのでしょうか。又、各診療間において例えば皮膚診断なども考えていますが、同じ施設間の中であれば、違法性は無いのでしょうか。
 
【答7.6】「いわゆる電子保存に適合していることを証明する為に現時点ではMEDIS-DCが必要です.しかしMEDIS-DCのみがその資格を持っていると言うことを言っているのではありません。電子保存の三原則に則っていることを客観的に証明できればどの団体でも問題は有りません。私が難しいと言ったのはIS&C委員会でもここまでこぎつける迄にかなりの時間と労力を要したので他の団体が「証明する」大変さを申したまでです。もっとも線路は引かれ、ノーハウも資料もありますので私が想定しているより楽かもしれませんが。また電子保存を名乗らなければMEDISシールは不要ですし、活用は自由です。A
 
【問7.7】医療機関にしか販売しないという点(つまり病院内で使用するに限るという事か?)について過去のフィルムをMOに入れるとした場合、病院内での作業が可能かでしょうか。すでに他の場所(外部委託しているとか)に保存されているフィルムは、どうするのでしょうか。対処法等、お考えをおしえて頂きたい。
 
【答7.7】共通規格承認製品は、医療関連機関にのみの販売となります。従って、販売後の管理はその医療関連機関で行うこととなります。ご質問の回答は、管理している医療機関からの委託作業とすれば、作業場所等はその医療機関内と限定する必要は特にありません。ただし、文書等にて委託作業であることを明確にしておく必要はあるかと思います。G
 
【問7.8】エコー検査等ファイリングを利用したいのですが情報がありましたら教えていただけると幸いです。TEACはどうですか、MO製品など不適でしょうか。
 
【答7.8】エコーもDICOM規格が制定され、各社DICOM対応の機種が出そろってきています。昨年より超音波医学会ではDICOMネットワークに各社の超音波診断装置を(ゲートウェイを介さず)直結して、表示したり印刷したりするデモも行われています。したがって、超音波診断装置の場合もオンラインファイリングを想定していくべきでしょう。既存の製品をファイリングするためには、数社からNTSC出力した物をファイリングする装置が出ています。それらを二次的(セカンドキャプチャー)にDICOM化して統合することもできます。IS&C委員会WG11で検討を開始します。A
  
【問7.9】厚生通達における電子保存対象となる画像の種類はレントゲン関係のみなのか。内視鏡等の他の臨床写真は対象となるのか。また、厚生省は、CTとCRは全く同様に認識してるのか。
 
【答7.9】質問の意味は、「厚生省の通達のいうところの電子保存が、対象としている保存義務のある画像の範囲(種類)」と思います。この場合、医師法第24条、医療法施行規則第23条、医療法第21条、医療法施行規則第20条などに該当する画像となります。医療法施行規則第20条の11(診療に関する書記録) 過去2年間の病院日誌、各科診療日誌、処方箋、手術記録、検査所見記録、エックス線写真並びに入院患者及び外来患者の数を明らかにする帳簿とするとなっています。そのため、CTとCRは同様に認識しています。内視鏡画像は、医療法施行規則第20条のいう検査所見記録に該当するのかわかりませんが、保存するように指導されています。A

【問7.10】本委員会の活動範囲例えば規格作成のみに徹せられるか、医療画像の品質、サンプリングデータを作成し、販売することなど考えられいるのか。IS&Cの画像保存の規格表を入手したいのですがどうすれば良いのですか。
 
【答7.10】IS&C委員会としての活動は、技術的な規格の確立を図ることを目的としています。サンプルデータなどの提供は、共通規格に関してMEDIS-DCにおいて計画されています。共通規格の規格書は、MEDIS-DCのホームページ(http://www.medis.or.jp)にて申し込み方法が掲載されています。A
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